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Takram Human Capital Report 01 ── なぜTakramはユニークなアウトプットを生み出し続けられるのか

生成AIをはじめさまざまなクリエイティブツールが広く行き渡るなかでいかにして同質化せずユニークなアウトプットを生み出し続けられるのかそれはTakramに限らず多くの組織が抱える課題とも言えるかもしれませんそうした課題にわたしたちがどのように取り組んでいるかをTakramの人事や制度づくりを担うCareer Support Managerの阿野理恵がTakramHuman Capital Reportとしてシリーズでお伝えしていきます
Credits:
Text:
photography:
  • Yoichi Nagano
4min read

数字で見るTakram

企業の価値や将来性は工場や設備といった目に見える資産で測るというのは過去の話となり競争力の源泉はいまブランドや技術人材といった財務三表では表せない無形の資産へと移ってきています人にどう投資しているか企業の将来性を判断するうえで欠かせない情報になりへの投資を数字で語ることが求められています

こうした流れを受けて2020年にいち早く米国証券取引委員会SECが上場企業に年次報告書Form 10-K)」での人的資本Human Capitalに関する情報開示を義務づけました日本でも人材版伊藤レポートや政府の人的資本可視化指針を経て20233月期の有価証券報告書から開示が義務化されました

Takramは上場していないので開示義務はありませんしかしそれでもこうして開示するのはわたしたちのユニークなアウトプットの源泉が人と組織のあり方そのものにあると考えているからです

Takramの組織運営については社外の方から質問を受けることがよくあります外部での講演組織運営に携わる方との会話あるいは採用面接の場で独立しても十分にやっていけるメンバーがなぜ辞めずに在籍し続けているのかトップダウンでレールを敷いているわけでもないのになぜユニークなアウトプットを生み出す人材が育つのか

自分たちでは当たり前と思っていることはまだまだ一般的ではないということかもしれませんいま改めて自分たちをふりかえるために数字と言葉で確かめてみようと考えました

良い数字もまだ途上にある数字もTakramの現在地を表す指標として率直に公開していきます

共通のものさしで

はじめに多くの企業が開示する標準的な指標から見ていきます人材の定着や働きやすさなどすべての会社を定点的に測るいわば共通のものさしです

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メンバーは652016年の27名から9年で約2.4倍に増えました定着率は92.4%在職年数は7.2いずれも直近2年の平均ですデザインやエンジニアリング領域には人材の入れ替わりが早い残業が多いといったイメージをもたれることが少なくありませんが数字で見るTakramの輪郭は少し違って見えてきます

規模については拡大を優先せずカルチャーを大切にしながら着実に成長してきましたまた毎週全メンバーを対象に行っているエンゲージメントサーベイの上位項目を見るとメンバーがTakramのカルチャーをどう捉えているのかが見えてきますここまでは人的資本開示の共通のフォーマットに沿った数字です

ただ共通のものさしだけではTakramという組織の輪郭までは見えてきません例えば女性管理職比率── 多くの企業が開示するこの指標をTakramは示すことができませんなぜならばTakramには管理職という役職そのものが存在しないからです標準的な指標で測れないことそこにこそTakramのユニークさが表れていると言えそうです

Takramのものさしで

ではわたしたちらしさを表す指標とはなにかいくつか挙げてみます

65名のメンバーに対して肩書タイトル39種類ありますそのうち27種類はTakram内でひとりだけが名乗るものです肩書は組織が決めるものではなくそれぞれのプロジェクトやめざしたいキャリアが決めていくその価値観のもとVision DesignerContext DesignerTechnology Translatorなどおそらく一般的な職種の一覧にはない呼び名がそれぞれのキャリアやビジョンの数だけ生まれています

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部署も固定されたチームもありませんひとりが複数の領域を越境して働くことを前提にプロジェクトごとに人が集まりまた散らばっていくこの流動性がアウトプットを固定化させないことにつながっています

学びへの投資でも金額の大きさより使われ方Takramらしさが表れています外部の講座やワークショップへの参加費Lecture Support承認プロセスのない書籍購入Book Purchase企業によっては同様の制度があると思いますがここでもなにを学ぶかは組織が決めるのではなくメンバー一人ひとりに委ねています利用事例もあわせて見ると制度の使われ方に幅がありメンバーそれぞれのアイデアが表れていることがわかります

そして学びと同じくらいつながりにも投資しています複数メンバーでのアクティビティのサポートt×t月に一度のデリバリーランチTak Lunchオンラインとオフラインのハイブリッドワークで働くからこそメンバー同士の会話に投資する普段はそれぞれの場所で活動しながらも交流やイベントのときには自然と人が集まるその場機会こそがTakram内のコラボレーションのきっかけとなり次のアイデアを生むと考えています

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数字のその先へ

なぜ肩書がこれほど多様なのかなぜ独立や転職という選択肢をもつ人材がTakramに所属し続けるのか

ここまでの数字や制度は実は結果であってめざしたものではないというのが正直な話ですすべてはどうすればTakramがユニークなアウトプットを生み出し続けられる組織でいられるかという問いから始まっています

これらの取り組みについて話をするとその制度ばかりが注目されがちですが重要なのはなにをゴールとして数字の背後にある組織のかたち ── 階層をもたない体制自走を支える仕組みそしてそれらを健全に保つ文化 ── がつくられたのかです

次回からそれらをひとつずつひもといてお伝えしていきます

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Rie Ano
Career Support Manager
早稲田大学政治経済学部卒業後大手都市銀行での融資担当大手人材派遣会社での企画部門を経て2010年よりTakramに参加当初はバックオフィス業務全般を担い組織の拡大とともに人と組織の領域へメンバー向け研修やプロジェクトリーダー向け研修などの成長支援施策人事・評価制度の設計と運用1on1やコーチングといった対話の仕組みの導入などを担当